「セイサイのシナリオ」最終話を迎えて

執筆作品情報

5月29日、私が原作脚本を担当している
「セイサイのシナリオ」の最終話が
comicoにて配信されました。

全83話の週刊連載、無事完結しました。
作品を応援し続けてくださった読者の皆様、
ありがとうございます。
作品を共につくり続けてきたクリエイターの皆様、担当編集さま、
お疲れ様です。ありがとうございました。

終わりを迎えるというのは…
…やっぱり寂しいものです。
最終話の配信時間直前は切なくなりました。

「セイサイのシナリオ」の企画書を書いたのはおよそ2年前。
2021年の夏頃でした。
当時のことを書いた

このような記事がありますので、振り返りにぜひ。

その頃は、韓国発祥の縦読みフルカラーのデジタルコミック
「webtoon」
というワードは、
日本にそこまで広く浸透していなかったように思います。
知ってる人は知ってる。

実際、私も読んだことはあっても
「webtoon」
というワードをよくは知りませんでした。
「~toon」
っていうのは、そういえばあるなぁ。
という程度。

それがこの2年で大きく変わりました。
国内の制作スタジオが増え、
国内発のwebtoon作品が次々に生まれています。
私が企画を出した頃よりも色んな情報が集まっていて、
世間の認知度もより高まっていると感じます。

あの時期に作品をスタートできたことは、
それなりの苦労もありましたが、
やはり幸運でした。

まだノウハウがあまりない。
言い換えてしまえば、挑戦し放題ということです。
どう進めるのがよいのかのベースは無いに等しく、
作りながら、話し合いながら、
「こうすると良いのかもしれない」
という挑戦の連続。

私なり、制作チームなりの形が、
話数を重ねるごとに出来上がっていきました。
組む人によって進め方も違うでしょう、
やはり話しながら合うやり方で、
というのは今後も変わらないのだろうとは思います。

「セイサイのシナリオ」は1人で描くのではなく
各工程(原作脚本・ネーム・線画・着彩・背景・仕上げ)
それぞれにクリエイターがいて、
原作脚本の私は担当編集さんとのやりとりの他、
編集さんを介してネーム担当の方とのやりとり、
それと仕上げを完了した原稿のチェックをしていました。
仕上げ後の原稿チェックは、最終的なセリフのチェックが主です。

脚本→ネームの意図の伝え方は、
やり取りを続けていく中で出来上がっていきました。
強調したい重要なセリフであることのサイン。
このセリフはどういう感情なのか。
この時の動きはどうなっているのか。
こういうイメージでお願いします、
という参考資料・参考画像を用意するなど。
情報を詰め込んでお渡しします。

あのイメージからこんなに素晴らしいネームに…!
という場面は数知れず。
ネーム担当の白水先生の構成力・表現力に頼ることはしばしばありました。
それは話数が進むにつれて増えていったように思います。
白水先生ならここをこうしてくれそう。
動きのある絵を普段よく描いていらっしゃるから、
キャラクターの動きを面白くつけてくれそう。
相手を知ればそれだけ、ワクワクがどんどん膨らんでいきました。

そしてそれが線画で描かれ、
色がついて、
背景がつき、
仕上げが施され、
クリエイターさんの持つ能力によって作品の魅力が増していく。
制作スピードの速さもですが、
ここがチーム制作の良さなんだと思います。
連載をメインで関わっている方以外にも、
キャラクターデザインや、
タイトルロゴのデザインをするクリエイターさんもいます。
1作品で10数名が関わっています。

企画が本格的に動き始めてから一年半ちょっと。
その間、私自身も色々ありました。
この作品を執筆中、第三子となる女の子を妊娠・出産。
すくすく育っています。
最近ハイハイのスピードが上がり、
つかまり立ちも当たり前にやるようになり、
そして歯が生えてきました。
出産で執筆スケジュールも調整が必要になり、
担当編集さんの寛大なご対応に何度も助けられました。
その節はありがとうございました。
出産祝いも贈ってくださり、嬉しかったです。

主人公である明日実の夫・良平が出版社の編集者・桜と不倫を始めたのは、
息子・翔太が生後半年の頃。
もしも生後半年で旦那が不倫なんてしていたら…?
マジでありえん!
とんでもない男だな、良平は。
明日実はよくここまで頑張ってきました。
危なっかしいところがあるけれど、
何度もぶつかり、悩み、進み、周りに助けられながら、
物語の中で成長をしてきました。

「セイサイのシナリオ」の登場人物には、
色々な意味を込めて名前をつけています。
明日実の旧姓で芸名でもある苗字「水端」は、物事の最初という意味があります。
そして、
旦那(大鳥良平)は大トリ。
不倫相手(才川桜)はサクラ。
他にも、千秋楽…作中では桜の家族である千秋と秋楽ですね。
お気付きの方もいると思いますが、
テレビや舞台、歌舞伎などで使われている用語が入っています。

そしてなぜタイトルである
「セイサイのシナリオ」
はカタカナなのか。
作中で徐々に明らかになりますが、
複数の意味を持たせています。

脚本を執筆する上で、企画当初から大筋は変わっていないにしても、
様々なところでアイデアをいただきました。
それは編集さんと話している中であったり、
チームのクリエイターさんから出たものであったり、
日常の気付きであったりです。
それらが結集し、あのラストが書けました。

最終話である83話「私が書いたシナリオ」のサムネ。

ORICON eltha様に取材をしていただいたことも、私の中ではとても大きかったです。
作品とより深く向き合うことができました。
取材していただいた記事、ぜひチェックしてみてください!

ORICON eltha様、ありがとうございました。
取材は緊張しましたが、とても楽しく、貴重な時間を過ごせました。

この作品で書きたかったことは、描けたと思っています。
アフターストーリーがあれば、と最終話のコメントにあって、
わー書きたい~!
マジで思ってます。
作品として発表できたらなぁ。
コメントをいただけることも、励みになっていました。

みなさま、ぜひ1話から読んでいただけると嬉しいです。
もう読んだという方も、まだ途中という方も!
そして何度も読み返していただけると嬉しいです。
そう、今キャンペーン中なんです!

不倫もの、というテーマで企画提出の機会をくださったSORAJIMA様
企画を見つけ、チームをまとめ、最初から最後まで引っ張ってくださった編集者様
チームとして関わり、このストーリーに力を尽くしてくださったクリエイターの皆様
作品配信でお世話になりましたcomico様
そして読者の皆様

ありがとうございます!

私はこれからも書き続けます。
それは、ドラマ、映画、配信、そして今回のような漫画原作、
色々なものを今後も書いていきたいと思っています。
これからの作品も、見ていただけると嬉しいです!


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